人生を守ってくれる介護保険

保険と聞いて真っ先に思い浮かべるものは、医療保険、生命保険などの民間の保険の方は多いでしょう。
介護保険と聞くと、親に介護が必要になったら考えたらいい、まだ私には遠い未来の話だから気にしていない、というケースは多いかと思います。

介護保険は、国民健康保険や公的医療保険(国民健康保険や組合けんぽ、共済など)と同じように、加入者(被保険者)の納付する保険料と公費の投入によって、社会全体で支え合う国民皆保険の一つです。
介護や介護予防のサービスが給付されます。民間の保険会社が提供している保険商品は、公的介護保険を利用する際の自己負担分にあてるためのもの。もちろんそれも大切ですが、その前提には介護保険の利用があります

介護保険を受給する場合は、まず、どれくらいのサービスが必要か、「要介護認定」を受けます。
要支援1・2、要介護1~5の7段階の認定レベルによって、利用できる範囲が決まります。
「訪問、通い、泊まり」の利用形態で多種多様な介護・看護サービスがあり、それぞれ必要に応じて組み合わせて利用します。

終活の一つとして、介護保険の給付申請手順を一通り知っておきましょう。

(1)住んでいる地域の「地域包括支援センター」へ相談します。まずはここで、介護保険のパンフレットをもらっておくと進め方が分かりやすくなります。
(2)包括センターでは、ケアマネジャー、社会福祉士、訪問看護師の方々がチームを組んで対応してくれます。
(3)次に要介護認定を受けます。利用者の運動能力および麻痺や認知症などの有無、必要とする介助について聞き取りデータに基づくコンピュータシステムの第一次判定と、専門家による第二次判定で行われます。
(4)要介護認定結果に照らしあわせて、利用者および家族とケアマネジャー、主治医等も参加してケアプランを立てます。
(5)介護サービスの業者を選定し、利用契約を結びます。介護サービス事業者は、社会福祉法人も含めて行政機関(都道府県や市)へ届出をしている民間経営です。実際に足を運んで見学したり担当の人と話をして選べますし、もちろん途中で変更することもできます。

包括センターは地域ごとに運営されていますが、主治医やケアマネジャー、サービス事業者は地域とは関係なく選べます。利用できるサービスについて、加入者本人と家族が、主体的に考えて選択することで、介護保険の価値が生きてきます。
元気があるうちに先のことを考えたり、情報を知っておくことで、少しは役に立つかもしれませんね。

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