人生100年時代。この言葉がどこから来たかご存知でしょうか。
ロンドン・ビジネス・スクール教授のリンダ・グラットンとアンドリュー・スコットが著書「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」で平均寿命の伸びにより、100歳まで生きるのが当たり前になる時代がくるという考え方を提唱したことがきっかけです。
長寿時代に向けて従来の社会制度や人生設計を見直そうという動きが広まり、日本では政府主導で2017年9月に「人生100年時代構想会議」が始動し、教育の無償化や高齢者の雇用拡大などが検討されています。
約450年前には、人間50年〜と謡いながら舞い戦場へ向かっていった偉人もいました。
そこから時が過ぎ、ライフラインの安全性が培われ、飲食や住居の発展、医療の発達などと共に、人間にとっては寿命が長くなっていきました。
そういった環境下では、いつまでも若々しく元気でいられる術も身につけ、健康にも気をつけていることから、自分の終わり方を考える必要性も減ってきたように感じます。
しかし、実際の現実問題は誰もが公平に人生100年を生きられるわけではありません。病気や事故には抗うことのできないこともあります。終活について考えることは、残された人の気持ちを大切にすることや人生の残りを健やかに生き生きと過ごししていくためにも必要だと私は思っています。
人生100年から考えると、50歳はちょうど半分を過ごしたことになります。
家族構成も現代ではさまざまですが、仕事優先で日々を忙しくしてきた方、子育てに追われて過ごした方、どんな人生を歩んできても最期は訪れます。
終活の一つで自分の身の回りの整理を考えることは大切ですが、これから何を目標にするかを考えてみるのもいかがでしょうか。
例えば、一度も海外に行ったことがないからオーストラリアに絶対行ってみる、子供の頃に行ったあの大阪にある遊園地に行ってみる、今まで書いたことがなかったから油絵を書いてみる、オリジナルのアクセサリーを作ってみる、陶芸教室の体験に行ってみるなど大きな目標から小さいことまで何でも良いのです。
悲しい話にするのではなく、人生の半分を楽しく生きていくためにやりたいことを10個書いてみると、それが一つのやりがいになっていきます。
それをきっかけにエンディングノートを書いたり、老後に過ごす終のすみかを考えたりと終活のスタートへ繋がります。
終活は財産や葬儀などの重要なことを決めることも大切です。これは、一度決めたら変えてはダメなどという決まりはもちろんありません。ふと思い立った今日、一度考えて書いてみる。そしてまた1年後、5年後、10年後に考えてみる。それでいいのです。
忙しなく時がすぎていく情報社会の現代で、立ち止まってみることが肝心です。
実は今、20代・30代など若い人でも終活をする人がいます。
終活をはじめるのに早いことはありません。
「人生の設計書」を書いてみる、そんな気持ちで向かい合ってみてはいかがでしょうか。