年末の大そうじはご褒美と厄払い

カレンダーが残り1枚になると、少し気忙しくなりますね。そんな日々のなか、いつどのタイミングで大掃除をしようかと考えたり。テレビの情報番組やSNSでも、掃除の段取りや効率的に行なうコツの話題に始まり、便利な掃除アイテムの紹介などがたくさん紹介され、潜在的に(掃除をしなくては!)と刷り込まれるかのようです。やらねばならないという義務感が生まれると、それは重荷につながっていきそう。同じやるなら楽しんでみたいものです、そう、江戸時代の煤払いのように。

12月13日は皆揃って煤払い

江戸時代における大掃除は「煤払い(すすはらい)」のことを指します。火を使って生活をしていたので、江戸城から長家、どこでも一年分の煤がたっぷりとたまり、煤払いは恒例行事でした。

鬼宿日(きしゅくにち)である旧暦の12月13日は、新しい年神様をお迎えする準備を始めるのにふさわしい日とされ、江戸城では煤払いをこの日に行ない、庶民もこれに倣って一斉に煤払いが行なわれていました。町中どこもかしこもこの日は煤だらけ。みんな頭から手拭いを頬冠りし、真っ黒になって掃除をしたのでしょう。

「十三日白い野郎は叱られる」なんていう川柳もあったそうですよ。さぼっていられませんね。

江戸の商家では、煤払いが終わると主人を胴上げしていた!?

さて、煤払いが終わると胴上げをしていたというから驚きです。確かに、江戸の年中行事を紹介した「東都歳時記(天保9年に発刊)」の挿絵に、胴上げをされている様子が描かれていますし、あの喜多川歌麿の「武家煤払の図(5枚続)」にも、しっかりと描かれています。それにしても、なぜ煤払いが終わると胴上げをしたのでしょう。

これもまた諸説あり、主人から奉公人まで皆で1日かけて煤払いをした後は、お疲れ様の宴で乾杯! そして締めになると主人を胴上げ。胴上げすることで、その家の主人が背負っている災いを皆で祓い落とすという意味があったそうです。威勢良く掛け声を上げて、賑やかに胴上げをする風景が目に浮かんできますね。

私たちも大掃除の後は、ご褒美と厄払いを

私たちも大掃除をしたら、江戸時代の人たちのようにお疲れ様の宴ではないけれど、自分にご褒美をしてあげましょうよ。大掃除が大好きで趣味だと思えれば良いのですが、そうでなければ、ご褒美のために大掃除をするのだとわりきってもいいかもしれませんよ。

きれいになったお部屋で、美味しいものを食べたり、飲んだり。楽しみにしていた映画やドラマを見るのも最高のご褒美。

さすがに胴上げはムリな話ですが、厄払いと同じ感覚で爽やかな香りのアロマのエッセンシャルオイルを焚いてみてはいかがでしょう。たとえば、スッキリと爽快感に満ち溢れたローズマリー。これ単体でも良いですが、ラベンダーと組み合わせるとスッキリとしながらもリラックスできる空間に。またはジューシーなオレンジやグレープフルーツの香りを漂わせてもハッピー感が増していきます。落ち着いた香りがお好みであれば、サンダルウッド(白檀)はお香を嗅いだときのように深いリラックス効果が期待できます。

お部屋も、空気もきれいになって、心地よい時間を過ごしましょう。

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